◆新刊案内
【5月6日から5月20日までの新刊案内】価額は全て税別です。
●電撃文庫(5月10日発売)
「天国に涙はいらない(6) 狐の夜滅入り」
著:佐藤ケイ イラスト:さがのあおい 510円
「大唐風雲記(2) 始皇帝と3000人の子供たち」
著:田村登正 イラスト:洞祇ミノル 530円
「インフィニティ・ゼロ(2) 春〜white blossom」
著:有沢まみず イラスト:にのみやはじめ 550円
「スクライド 新しき盟約」
著:兵頭一歩 イラスト:平井久司 510円
「陰陽ノ京 巻の三」
著:渡瀬草一郎 イラスト:洒乃渉 550円
「リバーズ・エンド2 slash the heart」
著:橋本紡 イラスト:高野音彦 570円
「新装版フォーチュン・クエスト
(1)世にも幸せな冒険者たち
(2)忘れられた村の忘れられたスープ<上>
(3)忘れられた村の忘れられたスープ<下>」
著:深沢美潮 イラスト:迎夏生
(1) 630円 (2) 590円 (3) 650円
●富士見ファンタジア文庫(5月17日発売)
「サクラ大戦〜太正恋歌〜2」
著:川崎 ヒロユキ 480円
「召喚教師リアルバウトハイスクール9」
著:雑賀 礼史 480円
「武官弁護士エル・ウィン 法廷の魔術師と呼ばれた男」
著:鏡 貴也 560円
「A君(17)の戦争2 かえらざるとき」
著:豪屋 大介 620円
「ラッシュ・くらっしゅ・トレスパス!」
著:風見 周 620円
「トレース&トレース でたとこ勝負の超新星」
著:伊澄 優希 560円
「チャイニーズ・ドリーム そして炎は天を突く」
著:雪村 智史 580円
●ファミ通文庫(5月20日発売)
「アニレオン! ヒーローだって恋したい」
著:葛西伸哉 イラスト:オダワラハコネ 640円
「アーケードゲーマーふぶき #恋愛ステージ」
著:斎藤ゆうすけ 原作・イラスト:吉崎観音 600円
「神牌演義3 震撼! さいたま新都心」
著:吉岡 平 イラスト:壱河きづく 640円
「ブレイク-エイジEX ロアゾオ・ブルー2」
原作・監修:馬頭ちーめい+STUDIOねむ
著:鍋本ちぇいある イラスト:馬頭ちーめい 640円
「古き独裁者の秘宝 JAC・ザ・ソーサラー3」
著:神代 創 イラスト:宮村和生 640円
<お薦め紹介>
ゲーム大賞出身作家が元気な電撃文庫。今回は幼なじみ、「天国に涙は
いらない(6) 狐の夜滅入り」は「「もえ」文学の極み。第8回ゲーム大賞組は、
「大唐風雲記(2)」「インフィニティ・ゼロ(2)」。橋本紡さんの新境地、「リバーズ・
エンド2」は、純文学っぽい!(ほんまか?)
富士見の一押しはなんといっても「A君(17)の戦争2」、相変わらずちん
ちくりんな剛士くんですがついに決断のときが。お宝さがしてあの星この星、
「トレース&トレース」、主人公ユーカの爽快な性格が小気味よい。コレクショ
ンという趣味に強い共感をもてないのが残念。
このタイトルでおやっと思った方は、まあ、いいとしです、「アーケードゲー
マーふぶき」。原作・イラストはケロロ軍曹の吉崎観音(みね)さん。完結編の
「JAC・ザ・ソーサラー」は世界の覇権をめぐる三つ巴の戦い。葛西伸哉さんの
新作はラブコメ?「アニレオン!」。バラエティに富んだファミ通文庫てす。
(勝)
<今号のピックアップ>
【書 名】A君(17)の戦争2 かえらざるとき
【ふりがな】えーくん(17)のせんそう2 かえらざるとき
【作 者】豪屋 大介
【イラスト】口絵/伊東岳彦 本文/北野玲&モーニングスター
【発 行】富士見書房/富士見ファンタジア文庫
【定 価】620円(税別)
主人公の剛士くんがカバーイラストから消えた「A君(17)の戦争」の2巻
目です。ちんちくりんだからカバーから消えたのか? しかし1巻目の剛士くん
のイラストはそれなりにインパクトがあったんですが。
日本から異世界ブラントラントに召喚された小野寺剛士(17)は、魔王領の
王、魔王となってランバルトと戦うことになる。姿かたちはちんちくりん、絵に
描いたようないじめられっ子の剛士だったが、追い詰められた彼は復讐という暗
い情熱で我が身を守る特異な才能の持ち主だった、、、、
異世界で大冒険もの、ではありますが、シビアな戦争ものだったりするのがこ
の作品の面白いところです。その重苦しさを緩和させるためか、碎けに碎けた文
章でひきつけ、伏線の効いたストーリーで読ませます。
1巻で魔王領の危機を救った剛士くんですが、2巻目では戦争をする意味・理
由に悩み、ちんちくりんに逆戻りしています。していますが、それが安易に納得
してストーリーを急ぐ展開とは異なり、戦争のリアルさを演出しています。
異世界戦争ですが、資金調達や政略など、多方面から練られたシュミレーショ
ンが面白く、タイトルの「A君(17)の戦争」が現すのが彼個人の戦争でない、
深い意味をもって強調されます。
個人的に注目度の高い作品です。3巻が待ち遠しい。(勝)