第2回ライトノベル・フェスティバル

2003年4月20日(日) 10:30〜16:00
会場:日本青年館

タイムテーブル
開催時間 企画名 出演ゲスト(敬称略)
10:00〜 受付開始  
10:30〜 オープニング  
11:00〜 ルーツを探れ! ひかわ玲子 〜〜ファンタジーの私〜〜  ひかわ玲子
柏崎玲央奈
12:00〜 作家になろう!〜〜モノカキへの道〜〜 赤城毅
13:15〜 歴史はドラマに満ちている 映島巡
定金伸治
14:15〜 完全なる超真空 中里融司
都築由浩
ひかわ玲子
15:00〜 宇宙は楽し〜続・ライトノベルの無重力部屋〜 都築由浩
16:00〜 エンディング  

【ゲスト様ご紹介】(出演企画順)

ひかわ玲子さん
5月17日、東京都生まれ
小説家であった伯父の影響を受け、小学生の頃から小説を書いていたという。1987年、東京創元社より刊行された『ヘラーズの冬』を宇井千史氏と共訳し、翻訳家としてデビュー。その後、1988年に富士見書房ドラゴンマガジンにて『バセット英雄伝エルヴァーズ』を連載、プロ小説家としての第一歩を踏み出す。同年、人気シリーズ「女戦士エフェラ&ジリオラ」の第一作となる『グラフトンの三つの流星』を、大陸書房で発表。さらに『三剣物語』『銀色のシャヌーン』『クリセニアン年代記』などのヒット作を連発、現在にいたる。
群を抜く描写力と表現力で描き出される物語は、あたかも実在する世界を活写したかのように読むものを魅了する。安定した筆力に支えられ、常に完成度の高い作品を書き続けていることも特筆すべき点である。読書経験が少ない若い読者に、もっともお勧めしたいライトノベル作家の一人である。
柏崎玲央奈さん
書評家。ライター。〈SFマガジン〉〈活字倶楽部〉で書評を行っている。
ライトノベル界においても、貴重な羅針盤役をつとめる一人。豊富な知識と卓越した洞察力を持ちつつ、若い人にもわかりやすい、平易で明快な文章を綴ることの出来る希有な存在。
今回のライトノベル・フェスティバルでは、作家ひかわ玲子さんのルーツを探る企画の司会を担当。
赤城毅さん
1961生まれ。東京出身
ドイツ現代史を専門とする歴史学者でありながら、エンターテインメント小説の分野でも非凡な才を発揮。1994年『旭日の艦隊・後世欧州戦史I』で短篇2本(鰍沢怜平名義)を発表、デビューを飾る。その後、1998年『魔大陸の鷹』シリーズでオリジナル小説に進出。以後、『帝都探偵物語』『有翼騎士団』『ノルマルク戦史』シリーズと、次々とヒット作を連発。ことに昨年、光文社カッパ・ノベルズで発表した『紳士遊戯』は、村田蓮爾氏のイラストも含めて好評を博す。大正末期より昭和初期にかけた「古きよき日本」を舞台にした作品群は、キャラクター造形の妙もさることながら、緻密な時代考証により導かれたリアリティが、読者に高く評価されている。
映島巡さん
1964年8月26日、福岡県出身。
「ZERO」で第4回ジャンプ小説・NF大賞(現ジャンプ小説大賞)を受賞。「ZERO」のカットを担当されたかずはじめさんの作品、「MINDASSASSIN」の小説化なども手がけている。
主な著作に「曠野の舞姫」(エニックス/2001.03)、「ダミーフェイス」(角川スニーカー文庫/2001.11)など。
ナガシマエミのペンネームで占い・心理テストの執筆も行なっている。
定金伸治さん
1971年11月28日、大阪府出身。
京都大学大学院工学研究科修士課程修了。
「ジハード」で第一回ジャンプ小説・NF大賞入選。
デビュー作の「ジハード」は昨年完結。近く集英社文庫より文庫化予定である。
現在の代表作は「kishin -姫神-」。日本の神代、中国の三国時代を舞台にした創作歴史物である。
歴史を世界として設定したファンタジーを多く書いている。また、いまは歴史にとどまらず、現代や架空世界を舞台にしたファンタジーを構想している。
中里融司さん
作家・漫画原作者。
1957年2月4日、東京都杉並区出身。
著書:「冒険商人アムラフィ」シリーズ、「狂科学ハンターREI」シリーズ、「ドラゴン・パーティ」シリーズ(以上、電撃文庫)、「荒鷲の大戦」シリーズ(歴史群像新書)、「戦国覇王伝」シリーズ(学研M文庫)他多数。
ライトノベルから、戦国架空戦記ものまで多彩な作品を執筆。
そのエンターテイメント性の高い作品はまるで一本の完成された映画をみているかのようである。
都築由浩さん
作家・漫画原作者・ゲーム作者
スペースオペラ、ラジコン、SFイベント、車、バイクと非常に多くの趣味をもつ趣味人。
1996年青心社より「ミリー・ザ・ボンバー 発進!!宇宙かける爆弾娘」で商業出版デビュー。以後、「ミリー・ザ・ボンバー」シリーズ、「レディ・スクウォッター」シリーズ、「ベイカー・マティジュの繁盛記」とヒット作を連発。
都築氏自ら作成に当たっているホームページは、多趣味を存分に披露した、充実のコンテンツとして知られる。

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【企画紹介】

●オープニング

今年もLNFでは参加証として缶バッチを配りました。去年は緑1色でしたが、今年は4色!なぜかというと、参加者振り分けクイズをしたからです。「あなたがライトノベルを書くならどんな本?」という質問から始まって、目的は?仲間は?と質問を重ねます。孤独なヒーローが活躍する作品を望む人は燃える赤のバッチ、仲間を大事にしてシリーズ化を目指すなら安全な緑のバッチ、そしてそして、女の子をたくさんオトすことを目的とする煩悩王は紫のバッチ!って、どーしてそんなに紫が多いかなあ? しかも某ゲストさんまで紫?(どなたが紫かは考えてみてくださいねー)

●ルーツを探れ! ひかわ玲子 〜〜ファンタジーの私〜〜

99年に刊行された「ひかわ玲子のファンタジー私説」を縦糸にひかわさんのファンタジーに対する想いを語って頂く企画でした。
司会は柏崎玲央奈さん。剣と魔法が出てくればファンタジー? いいえそれだけではないのです。語って頂くうちにファンタジーとは何かが見えてきます。
今話題の映画・アニメを始めファンタジー作品の見方が変ります。

●作家になろう!〜〜モノカキへの道〜〜

たくさんある新人賞。とにかくまず一次審査を通るためには、何に気を付ければいいのかといった話を、実際に審査に携わっている立場と、実際に作家として活動している立場からお話ししていただく企画です。
枚数制限はどのくらい厳密に守るべきなのか、話が終わっていないものは絶対落ちますよなんて話、言葉の選び方について、はては「ものの見方がさもしくなる」なんていう作家の業についてまで、話題は様々に展開します。
実際的で技術的な話やら、実際にあった笑える話、大前提の心構え論等々、作家を目指す人にも別に目指さないひとにも、興味深いひとときでした。

●歴史はドラマに満ちている

歴史や史実を舞台に作品を書かれている映島巡さんと定金伸治さんに、歴史物を書くというのはどういうことかお聞きしました。司会は編集者の半澤三智丸さんです。
資料からどう創作をするのか、キャラ造形は?お二人のとらえ方の違いも興味深い企画になりました。

●完全なる超真空

今年もやりました、大盛り上がりの参加型企画。
正面スクリーンに映し出される本の表紙や人物紹介イラストを眺めながら、ゲストが作品タイトルを当てたり、人物関係を推理したりするのです。周りの参加者は、「それは違う」「あ、近づいてきたぞ」なんて好き勝手に声をかけます。
「この中に3人宇宙人がいます。それは誰?」とか「このキャラの必殺技ってなんでしょう?」なんて質問に、ゲストの作家さんが次々に鋭かったり突飛だったりそっちの方が楽しそうだったりの推測を展開! すっかり元とは離れた詳細な設定ができあがっていくのを聞きながら、思わず、あぁその話、いっそ本当に書いてくれません?なんて思ってしまうのでした。

●宇宙は楽し〜続・ライトノベルの無重力部屋〜

第1回LNFからの継続企画、「宇宙は楽し〜」。宇宙開発や取材話に華を咲かせた前回から変わって、今回は「スペース・オペラ」について都築由浩さんにお話しを伺いました。
進行は都築さんのスペースオペラ原体験にはじまり、その後スペースオペラが辿った歴史、アニメや映像メディアへの分散、そして浸透と進みました。スペースオペラを駆け足で語る企画でしたが、途中からスレイヤーズやセーラー・ムーンといった「何故この作品が受けたか?」という話に脱線。会場の参加者からも意見(というか、ネタというか)が飛び出し、興味深くも楽しい企画になりました。

●エンディング

エンディングでは、ゲストのみなさま・出版各社のみなさまから頂戴した書籍やテレカを参加者にプレゼントしました。しかし、ただ渡したのでは面白くない! 参加者全員で“じゃんけん”をしての争奪戦となりました。ゲストの本をかけてゲストとじゃんけん−単純な勝負って結構熱くなるものです。会場は楽しい雰囲気に包まれ、和やかなエンディングを迎えました。

このほか、ゲストさんに関連ある書籍や同人誌の販売コーナーも設けられ、ファン同士や編集者の方との交流も行われました。

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