ゲスト様作品感想
第4回LNFのゲスト様の作品について、スタッフが書いた感想を集めてみました。
桑島由一 さん
- ■神様家族 シリーズ イラスト:ヤスダスズヒト MF文庫J
- 読んでいると、なんとなく甘酸っぱい(笑)気分になるんですよね。そこはかとなく懐かしい気持ちを感じさせるのは、少年の成長していく姿のまぶしさはいつの時代も変わらないということか。
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『神様家族』
恋愛ものが苦手な(ま)なんですが、このお話は別!これが私が初めて読んだ桑島さんの作品。最高です!主人公の成長ものとしても成り立っていて面白い。それと、可愛いテンコちゃんをありがとう。私にとっては“萌え”ポイントにストレートです。
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『神様家族2 発育少女』
神様が登場する作品の楽しみのひとつは、人間の願いを神様がどう“処理”してるかという点。(ジム・キャリー主演『ブルース・オールマイティ』は楽しかった!)七夕の短冊とパパさん=神様の行動には、なるほどね、とうなずいてしまいました。イラストを手がけてらっしゃるヤズダさんが装丁もやってらして、おしゃれな表紙もGOODです!
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『神様家族3 桃色貯金』
終盤の主人公・佐間太郎の活躍が痛くてかっこいい。佐間太郎にはヒーローでは絶対出せないかっこよさを強く感じます。どんな男の子の中にもこんな純なかっこよさはあるんだろうなあ、と憧れてしまう。ところで、女神でもあるママさんの邪気のないイジワルが、人との距離を縮めてもいるんでしょうね。こんな可愛いママになってみたい!
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『神様家族4 シャボン玉ホリデー』
神山家最年少のクールなメメちゃんの過去がわかる作品。メメちゃんの過去を涙なしで読める人は鬼です。会社の昼休みに読んで涙ぼろぼろで鼻水すすってた私は、だから鬼じゃありません。同僚をごまかすのが大変だったじゃないですかっ。この感想書くのにまた泣いちゃったじゃないですかっ。みんなも読め!そして泣け!
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『神様家族5 恋愛体操』
人の想いと神様の関係にうなずいてしまう6作目。月並みだけど、奇跡は神様が起こすにしても、人の気持ちの裏打ちがなかったらできないんだよね。オトナとコドモの間の佐間太郎が可愛い&かっこいい。でも登場人物紹介での脇役の霧島くんが超ハンサムでかっこいい。性格はともかく(笑)
- ■To the castle イラスト:スドウヒロシ 集英社スーパーダッシュ文庫
- 語り口がすごく魅力的。登場人物の台詞も地の文も一体になった軽妙でリズミカルな文章。はっ、これって現代によみがえった講談?(違うって!)
- ■南青山少女ブックセンター シリーズ イラスト:湖湘七巳 MF文庫J
- 女の子いっぱい、男の子ひとり、エロゲーみたいなシチュエーション?と疑いながら読んだら、そのひとり、の男の子がいいんだよう。普通っぽいけど、キモチの根底の部分が曲がってないのがいいんだよう。実際いたら惚れるねって、どこにでもいそうな気もする。「いや、そんなことねーだろ」な突拍子もない設定も許せました。
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高殿円 さん
- ■マグダミリア シリーズ イラスト:叶嵐 角川ティーンズルビー文庫
- 王子と乞食の物語は、王子様が市井の様子を体験して成長していく過程が面白いわけですが、このお話では、入れ替わってしまった偽王様の方も特別な剣を抜いたりと王の試練の物語を展開していて、一粒で二度おいしいです。王子様も、半分(?)は女の子だから、かっこいい少女の冒険もの視点でも楽しめるしね。読み手のお好み次第、二度どころか三度も四度もおいしい作品なのでした。
- ■遠征王シリーズ イラスト:麻々原絵里依 角川ビーンズ文庫
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『ジャック・ザ・ルビー 遠征王と双刃の騎士』
パルメニア国王アイオリアⅠ世は、とんでもない女たらし。今日も今日とて高級娼館で美人をはべらせご満悦。臣下から結婚をせまられれば、聡明で美しい従姉妹とでなければイヤとだだをこねる。だがそれは到底無理な話だった。なぜならアイオリアは女性だったから。さて、そんな王様がお忍びで訪れた酒場で意気投合したのが、剣の腕を頼りに騎士をめざす青年ジャック。2人は武術試合に挑み、見事勝利を手にするが。。。
趣味で温泉巡りするうちになんとなく遠征したことになっているという(・・・)アイオリアI世ご活躍の遠征王シリーズ第1弾。それにしてもジャック、君は抱きつかれても一緒にお風呂に入ってもアイオリアの性別に気づかないのか。。。いや、いっそあっぱれです。みんなのアニキ、居酒屋“モテない男のひがみ”店長兼料理長ニコールと最強コック軍団が素敵すぎ。
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『エルゼリオ 遠征王と薔薇の騎士』
アイオリアは空席のできた花園(後宮)の愛妾の座を埋めるべく、美女を求めて各地に薔薇の騎士を派遣する。もちろん、自身も政務を放り出し、ジャックをお供にちゃっかり旅の途に。旅先でジャックの昔の相棒ゲイリー・オリンザと出会い、彼の故郷ルルドに向かうことに。
槍使いゲイリー・オリンザ登場の巻。「お家騒動」と「マイ・フェア・レディ」が堪能できます。しかし、一番ドギューンと射抜かれたのは、アイオリアとナリスとミルザの三竦み、もとい邂逅シーンですね。いやぁ、なんか映画の1場面のようでドキドキしました。他に、他国や宗教勢力に対して王様らしく立ち回るアイオリア様もお楽しみいただけます。ところで、薔薇の騎士はやっぱりあのオペラあたりが元ネタなんでしょうか。
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『ドラゴンの角 遠征王と片翼の女王』
アイオリア最愛の従姉妹ゲルトルードが突如結婚宣言をしたからさあ大変。ぶんむくれたアイオリアは、結婚を阻止すべく駆け回るうちに、うっかり宝剣エヴァリオットを抜いてしまう。そんな中、宮廷ではアイオリアを偽王と断ずる一派が王を抹殺すべく動き出していた。
アイオリアとナリスの重すぎる過去が明らかに。王家の血筋、王の正統性をめぐってシリアスな物語が展開されます。。。の一方で、またもや奇天烈新キャラが。。。真っ昼間から薔薇のお風呂に入り、美少年をはべらせ、まっぱ(いや、半裸か)で歩き回る美青年伯爵。。。けっこう好きかも。「清く」「正しく!」「美しく!!」軍団vs「ミンチミンチミンチ」のコック軍団の闘いも熱いです!
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『尾のない蠍 遠征王と流浪の公子』
弱小国ボッカサリアの少年王の戴冠式に招待されたアイオリアは、そこで敵国ホークランドの将軍となったかつての夫、ミルザと再会する。
アイオリアとミルザとナリス。3人をめぐる因縁の糸がもつれるシリアスモード全開の本巻。そんな中でもギャグモードを忘れない作者に拍手。ちなみに今回の受けました大賞は、コック軍団による“あのすばらしい髪をもう一度”。若い読者のみなさんは元ウタをご存知なのかしら?(ちなみに私はフルコーラス歌えます)
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『運命よ、その血杯を仰げ 遠征王と隻腕の銀騎士』
あらすじを書くとそのままネタばれになるので、何もご紹介できない最終巻(泣)。最後は、とても満足のいく終わり方でした。いろいろなキャラの恋愛模様にもちゃんと決着がついたし。愛憎渦巻く中、女性の強さを見せてくれたオトコ前の某夫人に拍手。唯一の不満はコック軍団の活躍がなかったことかな。。。(結局それかい)
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『遠征王と秘密の花園』
最愛のいとこゲルトルードの結婚にうちひしがれる我らがアイオリアI世。そこへ追い討ちをかけるように、第1寵妃のオクタヴィアンが後宮からの引退を宣言。ひきとめるアイオリアにオクタヴィアンが出した条件とは? かくして王宮中を巻き込み、真剣勝負<かくれんぼう>の火蓋が切って落とされた!
遠征王番外編。時間軸としては、「ドラゴンの角」と「尾のない蠍」の間ですね。花園卒業生による「“アイオリア様に乙女になっていただこう計画”実行委員会」とか後宮で働くお嬢さんたちが結成した「アイオリア様の花園に入り隊」とか、うふふ、女の子が集団でミーハーに活動している姿っていいですね(腐)。
個人的に「“柱の陰”会」(アイオリア様を柱の陰からひたすら愛でまくる)への入会熱烈希望。ドタバタを楽しみつつも、老いたお針子と陛下のエピソードが一番心に残っていたりする私って、とことん地味属性。
- ■そのときシリーズ イラスト:小田切ほたる 角川ビーンズ文庫
- 「強い女の子」主人公というのはそれなりに見かけますが、「拳が強い女の子」主人公というのは、仲々斬新じゃないでしょうか。この彼女、お金にがめつい割にはけっこう少女趣味で乙女チックなところもあるというのが、アンマッチで魅力的なのです。
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中里融司 さん
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『斬剣 冥府の旅 同行屋稼業』 表紙:藤田香 光文社文庫
江戸時代 旅の危険から身を守りたい人のために同行屋という稼業があった。腕がたつのはもちろんのこと、道連れとして旅人の心のしこりまでもいつのまにか解していく同行屋たち。3つの旅の話が納められている、シリーズ第一弾です。
時代劇ですし、いわゆるライトノベルレーベルが出版元じゃないです。表紙は藤田香さんですが、本文には挿絵がありません。でも、登場人物のキャラの立ちっぷりは、まさしくライトノベル。「大きな眼にずしりとした鼻、常に楽しげな風情が漂うような口元」の桜見歓十郎(さくらみかんじゅうろう)、「男装の美女」でありながら「表情がない」露木雫(つゆきしずく)。そんな二人の活躍が十分楽しめます。特に私のお気に入りは雫さん。ぶっきらぼうな雰囲気の中にも、ほんのり優しさがうかがえるのです。特に女性キャラとからむとそれが顕著になるところが可愛らしい。できれば藤田さんのイラスト入りで読みたかった~。悔しい~。
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『黎明の戦女神』 挿絵:田阪新之助 電撃文庫
冒頭で世界は崩壊してしまいます。荒廃した地で、戦国時代さながらに武装勢力が割拠する中、主人公の峠昌樹が身を寄せる《繚乱の軍団》のリーダー藤沢梓は、どんな人でも安心して暮らせることを掲げています。実は世界があっさり崩壊したのは、世界を混沌に戻す《混世魔》の暗躍の為。昌樹もその一人ですが、今は梓を守ることに生きる目的に見出しています。
文明が崩壊してから6年後なので、刀や槍を持った騎馬武者と装甲車や銃が一緒に戦っていたりします。地名も現在のものなので「あそこで、こんなことを」などと地理関係も思い描きやすくなっています。各地に群雄のキャラクターも楽しみです。まだ名前だけの人がほとんどですが、今のところは軽井沢~上田の饗庭文彦が一押し。この人の戦っぷりは早くみたいぞっ。ここに認められれば世界の頂点にたてるという《中央》はかつてのテクノロジーをもっているらしいし、まだ謎は多いです。
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三村美衣 さん
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『ライトノベル・めった斬り!』 大森望/共著 太田出版
ライトノベルの全体的な流れとか、その流れの中での各作品の位置づけとかがとても楽しく紹介されていて、色々と昔の作品を読んでみたくなるのでした。
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